発行周期:週刊                              第14号              

・・・・・ なんでこうなるの??・・・・・


概要

フランス在住の著者が、国民性の違い、習慣の違いから起こるハプニング、
日常の生活の中で思ったことを、独断と偏見をまじえてここに公開。
日本の常識は、通用しません。

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ねずみの配達  

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上の息子の歯がやっと抜けました。
友達はもう3本も4本も抜けているのに、自分だけはなかなか抜けず悔しい思いを
していたようです。

日本では上の歯が抜けると縁の下に、下の歯が抜けると屋根のほうに投げるようですが、
こちらは歯が抜けるということは、お小遣いが増えるということになります。
ですから歯がいっぱい抜けている子は、お小遣いがそれだけあるということになるわけです。

こちらでは歯が抜けるとその抜けた歯を枕もとにおいて寝ます。
そうすると夜中にねずみが出てきてその抜けた歯を持って行き、変わりに10フランを
枕もとに置いていくのです。

歯はお昼ご飯を食べている時にポロッと抜けました。
「ワーッ、やったー、歯が抜けた。ねずみに10フランもらえるー」と凄い喜びよう。

自分でしげしげと抜けた歯を見て、「へー、歯ってこうなってるの」。
そこから質問攻め。

「ねずみはいつ来るの?」 「夜中、皆が寝ている時よ」
どうやって持って行くんだろう、手がないし口にくわえて持っていくのかな?」
「それしかないね〜」
そんなに歯をいっぱい集めてどうするの?」 「・・・・・」
「ねずみってお金持ちなんだねー。抜けた人皆に10フランあげるんだから。・・ちゃんは5本も抜けたんだよ。」
まだまだ続きます。

その後学校に行って自慢したらしいのですが、夜になってからが大変でした。
寝る時間がきてベッドに入りましたが、なかなか寝れないようです。
「歯が見つからないで、噛みつかれたらイヤだな。」とか、「ねずみがベッドの上を走り回るのは
気持ちが悪い」。でも「歯を持っていくねずみを見てみたい」とか色々考えていたようです。

夜の11時になりました。
もう寝ているだろうと10フランを持ってソーッと部屋に入ると、パチッと目を覚まします。
「まだ起きているの?」と私。
「ねずみかと思った」と子供。

これが何回続いたでしょう。
ねずみはいいから早く寝てくれと言いたいぐらいでしたが、辛抱、辛抱。
やっと1時ごろ、待ちくたびれたのか、寝息をたてました。

ソーッと部屋に入り、歯を持って変わりに10フラン玉を枕のそばに置いた時、
寝返りをうった子供の手が歯を持った私の手の上に・・・。
執念としか言いようがありません。

結構神経質なところがあるので、へたに動くと起こしてしまう可能性もあります。
そうなると子供の夢もパー!
ジーッと息をひそめて、少しの間そのまま待ちました。
起きる気配はありません。
それからソーッと手をどかし、抜き足差し足で部屋から出ました。

無事に部屋から出ると、「フーッ」とため息が出ました。
まるで泥棒にでもなった気分です。
これから歯が抜けるたびにこれじゃたまらないなと思いましたが、
次の日、ねずみが10フラン置いていったと喜んでいるのを見ると、
そうしょっちゅう抜けるわけじゃなし、
まあ、いいか!と思った私でした。
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